最初は、Chip&Dan HeathのMede to Stick 。定着しやすいIdeaを如何にして作り上げるかという観点から書かれた本です。この本では、SUCCES(S)の頭文字をとって、Ideaを定着させるためには、Short(簡潔性)、Unexpected(意外性)、Concreat(具体性)、Credible(信憑性)、Emotion(感動・感情)、Story(物語)の6つの要素の(複数の)組み合わせが必要であると主張します。
例えば、簡潔性とは単に分かり易いというだけはなく、コアとなるメッセージを明確化し、優先順位をつけることを意味します。また、意外性には相手の注意を喚起し、好奇心を引き出すという効果があります。
SUCCES(S)の条件を見事に満たした例として、1961年のJohn F. Kennedyが行ったMan on the Moonのスピーチが紹介されています。
' I believe that this nation should commit itself to achieving the goal, before this decade is out, of landing a man on the Moon and returning him safely to the Earth.'
2冊目の本はChange Management やLeadershipの分野のGuruであるKotter教授の著書。J. Kotter&L. WhiteheadのBuy-Inです。こちらは、自分の考えをどうやって相手に受け入れてもらえるかに関する本です。Made to Stickとテーマは似ていますが、Buy-Inは、優れたIdeaを台無しにしようとする4つの脅威(Fear Mongering, Delay, Confusion, Ridicule(or Character Assassination)への対応を通じて、Ideaを受け入れてもらうために必要なヒントが述べられています。
前半は、とある市のTown Meetingから始まります。市の図書館に対して地元コンピュータ会社から(一定の条件の下)PCの寄付を行ってもよいという提案が持ちかけられます。(予算が限られている)市の図書館にとっては願ってもない提案(Good Idea)です。しかし、如何にGood Ideaであっても、上記4つの脅威のように、Idea実現を阻む障害があります。市営図書館の諮問機関のメンバーの一員である主人公が、様々な障害に対処しながら、この提案を議場で受け入れてもらうまでのStoryが描かれています。後半は、前半のStoryに基づいた具体的な処方箋が述べられます。
重要な点は、①(参加者全員に)敬意をもって対応すること、②予想される反対意見等に対して、事前に準備をしておくこと、③正直・率直・簡潔に回答すること、④反対する人へ意識を向けるのではなく、聴衆(参加者)全体を見渡すことであると指摘しています。
特に印象深かったのは、④に関連して、ともすると敵意や排除の対象として見られる不満分子を議論の場でどのように扱うのかという点です。彼らを説得しようとするのではなく、議論の中でうまく対処することを通じて、議案に関心のなかった(大多数の)層の関心を高め、また、当初から議案に好意的だった人たちのコミットメントを一層高めるという効果が期待できるという点は非常に納得性が高いものでした。
Mede to Stick が定着し易いIdea作りというStaticな点から書かれているのに対し、Buy InはInteractiveな状況の中で、いかにしてIdeaを受け入れてもらうかというDynamicな視点が重視されています。この2冊は相互補完関係(Complementary Relationship)にあるとも言えますので、併せて読んでいただくと理解が深まると思います。
なお、上記2冊の本に関連したWeb Siteも用意されていますので、併せてご紹介します。
Made To Stick ☛ madetostick. com
Buy-In ☛ kotterinternational.com/buyin
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