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2011年3月22日火曜日

Story Tellingと経営戦略

震災から約10日が経過しました。震災によって亡くなられた方はいまだに増え続けており、想像を絶する災害であったことに驚愕します。あらためて、震災による犠牲者の方々や遺族の方々に哀悼の意を申し上げます。

原発をはじめとしてまだまだ予断は許さない状況にありますが、周囲は少しづつ落ち着きを取り戻しつつあるようです。また、先週はアポイントの大半がキャンセルになったので、久しぶりに読書が出来ました。

唐突ですがストーリーとしての競争戦略(東洋経済新報社)という本が売れているようです。

この本を読んだことはないので内容についてはコメントできないのですが、書店でこの本を見かけたとき、ふと、「経営戦略におけるStory Tellingの役割」ということを思い出しました。というのも3年ほど前、Warwick Business School(WBS)で履修したStrategy and Practiceという戦略論の課目の中で、経営戦略におけるStory Tellingの役割について少し触れられていたことを思い出したためです。メイン教材のLesson Noteではわずか3ページほどの分量でしたが、推奨論文として挙げられていた以下の2つの論文を読んでみました。


Barry, D. and Elms, M. (1997) Strategy Retold: Toward a Narrative View of Strategic Discourse, Academy of Management Review, 22, pp. 429–52

Shaw, G.; Brown, R. and Bromiley, P. (1998) Strategic Stories: How 3M is Rewriting Business Planning, Harvard Business Review, May–June, pp. 2–8


どちらも非常に意義深い論文ですが、Barry and Elms(1997)の方はやや難解です。なお、(学術的な面に興味は無く)Storyの具体的メリットや活用法に興味のある方は、Chip & Dan HeathのMade to Stickなどを読まれることをお勧めします。Made to Stickには、Unexpected(意外性)、Credible(信憑性)という概念が紹介されていますが、Barry and Elms(1997)にもほぼ同じ概念として、Strategic Defamilialization,Strategic Credibilityといった概念が紹介されています。根っこの部分ではかなり共通項があると思いました。

ストーリーとしての競争戦略の本の内容とは全く関係ない話になってしまいました。


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