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2011年4月2日土曜日

Game Theoryの入門書

Game Theoryは経済学(特にApplied Microeconomics)をはじめ工学、社会学、政治学、生物学といった分野に応用されています。

Game Theoryに関する入門書は沢山出版されていますが、少し突っ込んだ学習を行おうとする段になると、食い足りない感のある本も多いと感じています。ということで、自分が読んだ本の中からお勧めできる本格派の入門書を何冊かご紹介したいと思います。

(1) ゲーム理論入門/武藤滋夫/日経文庫 
(2) The Art of Strategy A. K. DexitB. J. Nalebuff 
(3) ゲーム理論・入門-人間社会の理解のために/岡田 章/有斐閣アルマ 
(4) 経営の経済学 /丸山 雅祥/有斐閣  


(1)はコンパクトな入門書ですが、非協力ゲームのみならず、協力ゲームや情報不完備ゲーム、学習と進化のゲームなど、Game Theoyの領域を一通り押さえています。紙幅の関係で説明が飛んでいる部分も所々ありますが、この「行間」を自分で埋めていくことにより、力がつくように思います。新書ですが今回取り上げた(入門書の)中では、レベル的には最も高い部類に属すると思います。手軽に読める本ではありませんが、本格的にGame Theoryを学ぶための導入として、是非お勧めしたい本です。

(2)は米国のMBA課程でも長年にわたって用いられている”Thinking Strategically(邦題:戦略思考とは何か)”という本の改訂版に当たる本です。翻訳版も昨年出ています。内容としては、Game Theoryを中心とした戦略全般に関する本です。ボリュームはそこそこありますが、身近な事例が数多く取り上げられており、楽しみながら読み進めることができます。理論的な厳密性よりも、Game Theoryがビジネスの場にどのように応用されるのか、という点に興味を持っている方には最適と思います。

(3)は上級書として定評のある「ゲーム理論(有斐閣)」の著者による入門書です。分かり易い記述ながらも理論的に高い水準を維持していますし、扱う範囲もかなり広くなっています。また、数学の利用も最小限に抑えてありますので、安心して読むことが出来ます。(1)と同じタイプの本ですが、(1)よりも解説が詳しくなっています。

(4)は以前別のBlogの記事で紹介したBusiness Economicsに関する入門書ですが、この本のGame Theory部分も大変分かり易い記述になっています。Economicsに全く触れたことが無く、かつ、数式嫌いの方には厳しいかもしれませんが、Game Theoryを含めBusiness Economicsのベースをきっちり身につけたい方には最適な本と思います(最近、改訂版が出たようです。)

今回ご紹介した本のうち、(2)はBusiness Personに特にお勧めの本、(1)と(3)はGame Theoryを理論的にしっかり学びたい方の導入本、(4)はGame Theoryを含めたBusiness Economicsを学びたい方の導入本としてお勧めです。


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